一過性脳虚血発作TIAのリスク層別化 ABCD2スコア - TIA発症後早期の再発リスクを層別化する代表的なスケールとしてABCD2スコアがあります。

一過性脳虚血発作TIAのリスク層別化 ABCD2スコア

一過性脳虚血発作(transient ischemic attack:TIA)は脳梗塞の前兆となる病態として重要です。TIA発症後早期の再発リスクを層別化する代表的なスケールとしてABCD2スコアがあります。
A:age 年齢 60歳以上(1点)
B:blood pressure 血圧 140/90mmHg以上(1点)
C:clinical features 臨床像 片麻痺(2点)運動麻痺のない言語障害(1点)
D:duraition of symptoms 持続時間 10〜59分(1点)60分以上(2点)
D:diabetes 糖尿病 (1点)
の頭文字を取って名付けられたもので、これらの合計点数(合計5項目・最高7点)によって脳卒中再発リスクを評価します。

2日以内の再発率はABCD2スコアが0〜3点で1.0%、4〜5点で4.1%、6〜7点で8.1%になります。
また、ABCD2スコアに加えて、MRI DWIの陽性所見(新定義では脳梗塞にあたる)やMRAでの主幹動脈の閉塞病変も早期再発リスクであることが報告されています。

最近の欧米の報告によると、TIA患者の10〜15%が3ヶ月以内に脳梗塞を発症し、そのうち約半数は最初の2日以内です。また、TIAの発症後6時間以内、12時間以内、24時間以内の脳卒中発症リスクはそれぞれ1.2%、2.1%、5.1%であり、1ヶ月以内に再発した患者のうち42%は最初の24時間以内であったという報告もあります。

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