くも膜下出血 SAHの診断と出血源検索3D-CTアンギオ
くも膜下出血(subarachnoid hemorrhage:SAH)の主な原因は脳動脈瘤の破裂であり、再出血は予後悪化に直結するため、発症後早期の的確な診断と出血源の検索が必要です。SAH発症直後に起こる頭蓋内圧亢進やそれに伴う脳虚血は、呼吸・循環系失調を中心とした全身性合併症を引き起こす事も知られており、種々の臨床検査による全身状態の把握も重要です。
SAHでは、発症時の的確な診断と出血源検索、急性期の全身状態評価、脳血管攣縮の早期診断が必須となります。
SAHの初発症状は、経験した事のない突然の激しい頭痛であることが多く、このような症状が認められたら早急に頭部CTを施行する必要があります。CT検査でSAHと診断された場合、引き続き3D-CTアンギオグラフィを行い出血源を検索します。
通常、脳槽部分には髄液が存在するため低吸収域(黒)となりますが、SAHでは出血により高吸収域(白)となります。特に脳底槽の星型の高吸収域はペンタゴンとして特徴的です。
CTスキャンによる発症24時間以内の診断率は92%で以降時間の経過とともに低下するといわれています。3D-CTアンギオグラフィによる検索は脳動脈瘤の80〜90%以上を診断できるといわれ、2mm以下の小さな動脈瘤の検出率に問題があるものの、脳動脈瘤周囲の血管の立体的構造の把握に適しています。