消化関連ホルモン モチリン - モチリンの主な作用は、消化管の収縮運動を引き起こすことです。モチリンの血中濃度は空腹時において周期的に変動し、約100分間ごとにピークを示します。

消化関連ホルモン モチリン

モチリン(motilin)は、22のアミノ酸からなるペプチドホルモンで、小腸のMo細胞から分泌されます。分泌制御機構は明らかではなく、コリン作動性神経などで神経性に調節されており、また腸がアルカリ性になることが刺激となって分泌されると考えられています。上部小腸、特に十二指腸粘膜に多く存在します。

モチリンの主な作用は、消化管の収縮運動を引き起こすことです。モチリンの血中濃度は空腹時において周期的に変動し、約100分間ごとにピークを示します。このモチリンの周期的分泌は腸管の空腹期強収縮波群(interdigestive migrating complex:IMC)と同期しており、空腹期に腸管内容物を大腸内へ送り込んで消化管内を掃除し、次の摂取に備える作用があると考えられています。
モチリンが高値を示す疾患として腎不全、慢性肝疾患、過敏性腸疾患、カルチノイドなどがあります。マクロライド系抗生物質のエリスロマイシンは、モチリンの非ペプチド性のアゴニストであり、モチリンと同様に空腹時消化管収縮を引き起こします。

基準値:空腹時モチリン血中濃度 150 pg/mL以下

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