カルシトニン CT 甲状腺髄様癌で高値
カルシトニンは、甲状腺C細胞で産生される32個のアミノ酸からなるポリペプチドホルモンで、副甲状腺ホルモンとともにカルシウムの調節にかかわり、血中カルシウムを低下させる働きがあります。また、腎での無機リン排泄促進による血清リン低下、破骨細胞の骨吸収を抑制して骨カルシウム含有量を保持するなどの働きがあります。
甲状腺髄様癌で多量に分泌され、肺小細胞癌やカルチノイド症候群などの異所性カルシトニン産生腫瘍でも腫瘍からの産生がみられます。また、甲状腺髄様癌が疑われる患者で予想外の低値であった場合は、カルシウム負荷試験やガストリン負荷試験を行います。甲状腺髄様癌患者では正常者に比べ反応が過大です。
検査材料:血清
測定方法:RIA(二抗体法)
基準値:単位(pg/ml)15〜86(空腹時)
加齢により低下する傾向があり、性差においては有意ではないが男性の方が高値を示す傾向がある。また、慢性腎不全では排泄不良等の原因で著しい高値を示すことが多い。また、食事により刺激を受けるため、早朝空腹時に採血するのが望ましい。
高値を示す病態
甲状腺髄様癌、肺小細胞癌、カルチノイド症候群、褐色細胞腫、骨髄腫、慢性腎不全 など
低値を示す病態
甲状腺全摘症例などで低値を示すが、低値側での臨床的意義はほとんどない