ガストリン 胃壁細胞に作用して胃酸分泌を促すホルモン - 胃壁細胞に作用して胃酸分泌を促すホルモン。ガストリノーマの診断に用いられる。

ガストリン 胃壁細胞に作用して胃酸分泌を促すホルモン

ガストリン(gastrin)は、主として胃幽門前庭部に存在する内分泌細胞(G細胞)由来のペプチドホルモンで、血液中には34または17アミノ酸からなるガストリン34とガストリン17が検出されます。ガストリンは胃内に摂取された食物(特に蛋白食)の刺激を受けて血中に放出され胃壁細胞に作用して胃酸分泌を促進します。

現在、血中ガストリン値の異常は高ガストリン血症についてのみ報告されており、ガストリン値の低下する疾患は知られていません。
ガストリンの異常増加はその自律的産生亢進による場合、胃酸分泌低下に伴う二次的亢進による場合、あるいは肝・腎における代謝障害による場合に分けられるため、測定結果の的確な評価は胃酸分泌機能状態と併せて行なうべきです。

血中ガストリンの測定はガストリノーマの診断には必須ですが、ガストリン値が軽度上昇に留まる場合はセクレチン負荷試験などを行ないます。すなわち、健常者や消化性潰瘍患者でセクレチン負荷後のガストリン分泌が抑制されるのに対して、ガストリノーマ患者では上昇するためです。

検査材料:血清
測定方法:RIA(PEG法)
基準値:単位 pg/ml 37〜172
 
高値を示す病態
ガストリノーマ(Zollinger-Ellison症候群)、幽門前庭部びらん性胃炎、副甲状腺機能亢進症、萎縮性胃炎、消化性潰瘍活動期、悪性貧血、慢性腎不全、閉塞性黄疸

低値を示す病態
低値側の臨床的意義は少ない

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