ABC検診で胃の健康度チェック 胃がんのリスク分類
ABC検診とは、胃の健康度を調べる検査で、胃粘膜萎縮マーカーのペプシノゲン(PG)検査と胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因と言われているヘリコバクター・ピロリ(Hp)抗体価検査の2種類の血液検査を組み合わせてチェックします。
胃の健康度に応じて3群にリスク分類(ABC分類)し、このリスクに応じた検診間隔を設定し、効果的に検診を行う方法です。
・ABC分類
A群:PG検査(-)Hp抗体価検査(-)
B群:PG検査(-)Hp抗体価検査(+)
C群:PG検査(+)Hp抗体価検査(-)もしくは(+)
・ABC分類と胃がんとの関係
A群からは10年間胃がんが発見されていない
B群0.2%の確率で胃がんが発見されている
C群2.34%の確率で胃がんが発見されている
・胃がん発生の仮説とPG検査・Hp抗体価検査との関係
ヘリコバクター・ピロリ菌に感染すると胃炎が起き、この状態が長く続くと表層性胃炎から萎縮性胃炎へと進行し、さらには腸上皮化生も併存します。がんの発生頻度は、正常粘膜からもゼロではありませんが頻度は大変低く、一方萎縮性胃炎では高くなります。多くのがんは萎縮性胃炎を発生母地としていると考えられています。
・ABC検診の運用方法
A群:5年に1回検診
B群:精密検査(画像診断)を行い問題がなければ2〜3年に1回検診
C群:精密検査(画像診断)を行い問題がなければ1年に1回検診
E群:ヘリコバクター・ピロリ菌除菌後の方はE(Eradication)群として定期的に経過観察を行う
・ABC検診の結果報告例
A群:健康な胃粘膜で胃の病気になる危険は低いと考えられます。
B群:少し弱った胃です。胃潰瘍・十二指腸潰瘍に注意しましょう。
C群:胃がんなどの病気になりやすいタイプです。内視鏡による定期的な検査を受け、胃の病気の早期発見・早期治療に努めましょう。