ラモトリギン血中濃度 小児にも使用可能な抗てんかん薬
ラモトリギン(製品名:ラミクタール)は、併用療法として認められた抗てんかん薬で、従来の薬剤に抵抗を示す難治性てんかんの治療に期待されています。
強直間代発作、Lennox-Gastaut(レノックス・ガストー)症候群など成人の部分発作だけでなく、初めて小児にも認められた適用範囲の広い薬剤です。
ラモトリギンは、グルクロン酸抱合で代謝されるため、グルクロン酸抱合を誘導する薬剤(フェニトイン・カルバマゼピン・フェノバルビタール・プリミドンなど)と併用すると血中濃度が上がりにくく、反対にグルクロン酸抱合を阻害するバルプロ酸と併用すると血中濃度が上昇しやすいという特徴があります。
これらの理由により、薬剤の効果と投与量との個人差が大きく、有効血中濃度の設定が困難な薬剤となっており、個々の症例に応じた血中濃度の管理が必要とされます。
検査材料:ヘパリン血漿 0.5ml
検査方法:HPLC
基準値:なし 単位(μg/ml)
<参考>
Lennox-Gastaut(レノックス・ガストー)症候群(LGS)は、1〜8歳、多くは就学前の小児に発病する、希少かつ重篤なてんかん症候群のひとつです。その多くは脳症など何らかの脳の器質障害を有し、強直発作(筋肉の攣縮)、脱力発作(突然の筋緊張の弛緩)および欠神発作(短時間の意識消失)が認められ、強直間代発作(大発作)やミオクロニー発作(突発的な筋肉の攣縮)など複数のてんかん発作型を示します。発作が頻回に発生することに加え、知的発達の遅れやパーソナリティ障害を伴うことがこの疾患の特徴です。日本での患者数は1000人未満と推定されています。