Ronco分類の病態解析に有用な臨床検査 Type1 - Ronco分類Type1:急性心腎症候群ではAKIの診断とGFRの評価に有用な検査が重要になります。

Ronco分類の病態解析に有用な臨床検査 Type1

Ronco分類Type1:急性心腎症候群
急性心不全や急性冠症候群(acute coronary syndorome:ACE)で心機能が低下すると心拍出量が低下し、急性腎障害(acute kidney injury:AKI)の状態となります。これによって続発する腎障害は、腎血流量の低下に伴う腎虚血および糸球体濾過率(glomerular filtration rate:GFR)の低下になるのでType1ではAKIの診断とGFRの評価に有用な検査が重要になります。

1)急性腎障害(AKI)の検査
AKIの診断と重症度の分類は、血清クレアチニン値と尿量が用いられています。クレアチニンは腎障害が生じてから血中濃度が上昇するまでに24〜72時間かかるとされ、潜在性AKI期間が存在する可能性もあります。そのため、AKIの早期診断補助マーカーとして尿中のL型脂肪酸結合蛋白(L-FABP)好中球ゼラチナーゼ結合リポカリン(NGAL)の有用性が提唱されています。
2)糸球体濾過率(GFR)の検査
GFR測定のゴールドスタンダードはイヌリンクリアランスの測定ですが、この検査は患者負担が大きいため、日常検査ではクレアチニン・クリアランスが用いられます。しかし、クレアチニンは腎前性の影響を受けることから、シスタチンCがGFRの指標として提唱されています。

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