シスタチンC
シスタチンC(cystatine-C)は全身の有核細胞からcystein proteaseとして産生され、生体内の酵素による細胞および組織の障害を抑制しています。また、シスタチンCは分子量13kDの塩基性低分子蛋白であり、他の血清蛋白と複合体を形成しないので、血中のシスタチンCは腎糸球体から濾過され、近位尿細管で再吸収されます。
腎臓における糸球体濾過率(GFR)の指標として現在繁用されている尿素窒素(BUN)やクレアチニン(Cr)のように、食事の影響や組織蛋白の異化や肝機能に敏感に反応し変動を受けにくい。また、β2マイクログロブリンやα1マイクログロブリンは感度が高いGFRの指標ですが、炎症や悪性腫瘍が併存することで偽高値となります。シスタチンCは簡便特異性が高く、GFRが80ml/min前後の軽度腎機能障害において診断感度および診断特異度が高いことが示され、早期診断スクリーニング、モニタリング目的の検査の両方に有用性が高いことが示唆されます。
検査材料:血清
測定方法:LA(ラテックス凝集比濁法)
基準値:単位(mg/l)0.50〜0.90
高値を示す疾患
尿毒症、腎不全、腎機能障害