Refeeding症候群 RF症 - 神経性食意不振症や慢性低栄養患者など、長期の低栄養や飢餓状態が続いた後に急激な栄養補給を行うと、水・電解質分布の異常により心不全・呼吸不全などの症状が起こり、最悪の場合には死に至ることもある代謝性合併症をいいます。

Refeeding症候群 RF症

Refeeding症候群(RF症)は、神経性食意不振症や慢性低栄養患者など、長期の低栄養や飢餓状態が続いた後に急激な栄養補給を行うと、水・電解質分布の異常により心不全・呼吸不全などの症状が起こり、最悪の場合には死に至ることもある代謝性合併症をいいます。
RF症 の発症機序は次のとおりです。
1)栄養学的にエネルギー源となるのは糖質と脂質が主であり、蛋白質は筋肉など体の構成成分として重要です。カロリー源である糖質は、嫌気的および好気的解糖によって代謝され、過剰になるとグリコーゲンとして肝臓へ貯蔵されます。
2)絶食などにより脳の機能維持に不可欠なブドウ糖が不足すると、肝臓のグリコーゲンが分解されブドウ糖の産生を促進します。糖の大部分は肝臓と筋肉のグリコーゲンですが、貯蔵量は12〜24時間で枯渇してしまう程度であるため、蓄積していた脂肪酸が利用されます。
3)脂肪酸は遊離脂肪酸として血液中を運ばれ、肝臓でエネルギーとして利用されます。

4)このような状態ではインスリンの分泌が減少し、細胞質内電解質、特にリンが枯渇しています。しかし、栄養補給などによりエネルギー源が脂質から糖質に切り替わると、インスリン分泌が増加し、ブドウ糖だけでなくリン・カリウム・マグネシウムなどの細胞内取り込みが促進され、血中成分が低値となります。
RF症の症状として、低リン血症が重要な臨床所見の一つとされていましたが、それ以外にも低カリウム血症、低マグネシウム血症、ビタミンB1欠乏症など複合的な臨床症状がみられます。その結果、不整脈・うっ血性心不全・筋力低下・呼吸不全・振戦・感染症・ウェルニッケ脳症などの多様な症状が発生します。重篤な不整脈を生じ、心停止に陥ることもあります。

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