放射線被曝 胎児 子ども への影響 - 着床前期の胚は、放射線感受性が高く流産のリスクがあり、器官形成期の被曝では奇形が誘発されます。

放射線被曝 胎児 子ども への影響

胎児 の発育期は、着床前期(受精から10日)、器官形成期(3〜7週)、胎生期(8週以降)に分かれます。着床前期の胚は、放射線感受性が高く流産のリスクがあり、器官形成期の 被曝 では奇形が誘発されます。また、胎生期は脳の増殖・分化が活発なため、被曝により重度精神遅滞やIQの低下が起こります。
このような影響は、確定的影響で100mSvのしきい値が存在します。そのため、100mSv未満の被曝では中絶を考える心配はないとされています。また。胎生期の被曝は生後に小児癌を誘発する可能性があります。

ICRP(国際放射線防護委員会)では安全サイドに立って胎生期の被曝は子どもの被曝と同じレベルのリスクがあるとして、妊娠女性のX線診断での防護を提案しています。しかし近年、胎生期の被曝による成人型の癌リスクは子どもに比べ小さいという結果が報告されています。
一般に胎児・子どもは放射線感受性が高く、これはこの時期の組織の細胞が活発に分裂しており、放射線による傷の修復間違いが多く、さらに発生した突然変異細胞のクローンが拡大するチャンスが大きいためです。また、被曝後も長い年月を生きるため、他の発癌物質により変異細胞にさらにDNAの傷が蓄積しやすくなります。
ICRPのモデルによれば、被曝による癌の生涯過剰罹患相対リスクは40歳に比べて10歳で約2倍になり、被曝時の年齢が10年高くなるにつれて癌リスクは17%減少するとされています。

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