動脈硬化の鍵・アディポネクチンってなに?
アディポネクチンはメタボリックシンドロームと密接に関連してい
るタンパク質で、脂肪細胞自身が分泌している善玉のアディポサイ
トカインです。
標準的な体格の人の血液中には多く存在し、内臓脂肪が増加すると、
反対にアディポネクチンは減少することが明らかになりました。
どんな人でも、普段からタバコや血圧、血糖値の上昇、血中脂質、
悪玉のアディポサイトカインなどによって血管が少しずつ傷つけら
れています。血液中を流れて全身を巡っているアディポネクチンは、
血管が傷ついているところを見つけると、すばやく入り込んで修復
します。
アディポサイトカインとは?
脂肪細胞は過剰エネルギーの“貯蔵庫”という役割のほかにも、さ
まざまな生理活性物質を分泌する“内分泌細胞”としての役割をも
つことがわかってきました。この脂肪細胞から分泌される生理活性
物質を総称して「アディポサイトカイン」といいます。“アディポ”
というのは脂肪という意味です。
アディポサイトカインには、動脈硬化を予防する「善玉アディポサ
イトカイン(アディポネクチン)」と、動脈硬化を促進させる「悪
玉アディポサイトカイン(PAI-1やTNF-αなど)」があります。
正常な状態では、これら善玉・悪玉アディポサイトカインの分泌は
バランスよく保たれていますが、内臓脂肪が蓄積した状態では、不
思議なことに善玉アディポサイトカインの分泌量が減り、悪玉アデ
ィポサイトカインが過剰に分泌されます。この分泌の乱れが生活習
慣病を招き、動脈硬化を進展させると考えられています。