肥満と肥満症の違いを知っていますか?
肥満と肥満症は同じだと思っていませんか?肥満とは体重が重いこと
ではなく「脂肪組織が過剰に蓄積した状態」をいい、肥満症は「肥満
に起因ないし関連する健康障害を合併するか、その合併が予測される
場合で、医学的に減量を必要とする病態」をいいます。
1)肥満
現状では脂肪組織を正確かつ簡便に測定する方法がないので、体格指
数のなかで体脂肪量に最もよく相関するというBMI( Body Mass
Index )を用いるのが普通です。
BMIは体重(kg)÷身長(m)を2乗して算出されます。
18.5未満 低体重
18.5以上25未満 普通体重
25以上30未満 肥満(1度)
30以上35未満 肥満(2度)
35以上40未満 肥満(3度)
40以上 肥満(4度)
肥満の判定においては、内臓脂肪の蓄積の有無は無関係です。肥満で
なくても内臓脂肪蓄積が認められる例があります。
俗に「隠れ肥満」などといわれますが、もともと肥満ではない人たち
ですので、適切な表現とはいえません。
2)肥満症
肥満症と診断されるには、BMI25以上で肥満と判定されもので以下
のいずれかの条件を満たしたものとなっています。
・肥満に起因ないし関連し、減量を要する(減量により改善する、ま
たは進展が防止される健康障害を有するもの)
・健康障害を伴いやすいハイリスク肥満(身体計測のスクリーニング
により上半身肥満を疑われ、腹部CT検査によって確定診断された
内臓脂肪型肥満)
この肥満症の診断基準は、医師が肥満者を診療し、肥満に基因する健
康障害が既に存在するか、今後放置すれば生命をも脅かす危険な疾患
の発生が強く懸念されると判断することにより、初めて肥満症と診断
することを明確にしたものです。