腫瘍壊死因子-α(TNF-α)
腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor:TNF)は、腫瘍壊死作用を有する活性化マクロファージ由来のサイトカインとして見出され、その後、悪液質誘発因子であるカケクチンと同一物質であることが明らかとなった蛋白です。
このTNFに構造的な相同性を示す活性化リンパ球由来の物質にリンフォトキシンがあります。両者は標的細胞の同一のレセプターに結合し、生物活性の点でも共通性が高いとされています。
現在、一般に前者をTNF-α、後者をTNF-βと呼び、単にTNFという場合はTNF-αを意味します。その生物活性は極めて多彩であり、IL-1やPGE2、コラゲナーゼなどの産生を介して発熱や種々の炎症反応を惹起することから、炎症反応の一つのメディエーターと考えられています。TNFの過剰産生は、膠原病および類縁疾患、川崎病、髄膜炎、マラリア、悪液質、AIDS、多臓器不全などの病態に密接に関与していると考えられています。
検査材料:EDTA血漿
測定方法:CLEIA
基準値:単位(pg/ml)1.79以下
高値を示す病態
SLE、関節リウマチ(RA)、川崎病、炎症性大腸疾患、悪液質、寄生虫・細菌感染症、AIDS、多臓器不全 など