可溶性腫瘍壊死因子レセプターT(sTNFR-T) - TNFの作用を阻害する蛋白。悪性腫瘍や白血病患者の血清中にみられTNF拮抗因子の把握に有用。

可溶性腫瘍壊死因子レセプターT(sTNFR-T)

腫瘍壊死因子レセプター(tumor necrosis factor receptor:TNFR)には分子量55kDaおよび75kDaの異なる2種類の分子種の存在が知られ、それぞれTNFR-TおよびTNFR-Uと呼ばれています。

両者のアミノ酸配列を比較すると、特に細胞内ドメインで全く異なっており、またTNFR-Tがシグナル伝達を担う機能的レセプターであることが証明されているのに対してTNFR-Uの機能は不明です。

癌患者血清中にTNFの作用を阻害する特異的結合蛋白が存在することは以前から報告されてきましたが、近年のいくつかの研究によれば、それらは上述のレセプターの細胞外ドメインがプロテアーゼにより切断され可溶化したものであると考えられています。

こうした可溶性レセプターは、生体内においてTNFに拮抗する制御因子として機能すると考えられており、sTNFRの測定は癌や白血病を始めとする各種疾患患者の病態把握に新たな情報を提供するものといえます。

検査材料:EDTA血漿
測定方法:EIA
基準値:単位(pg/ml)434〜930

高値を示す病態
炎症性疾患、エンドトキシンショック、悪性腫瘍、白血病、AIDS、慢性腎不全

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