タクロリムス - FK506とも呼ばれる免疫抑制剤。シクロスポリンより選択的にT細胞の活性化を抑える。主に肝・腎・骨髄の移植時で拒絶反応の抑制に有効。

タクロリムス

タクロリムスはFK506とも呼ばれ1985年に筑波山麓の土壌中から発
見された放線菌の一種であるStreptomyces tuskubaensisから精製
・単離されたものです。

本剤は基本的にはシクロスポリンと同じ免疫抑制作用をもつ薬剤と
考えられますが、よりT細胞機能を選択的に抑制するといわれてい
ます。一方、NK細胞活性やADCC活性、マクロファージ貪食能への抑
制作用はもたず、急性拒絶反応がT細胞の活性化により起こること
と、本剤がT細胞活性化を強力に抑制することから、移植時の免疫
抑制導入療法の柱となっています。

副作用として、腎機能障害、膵機能障害が発現する場合があるので、
クレアチニン、クレアチニン・クリアランス、BUNなどの腎機能検
査や血中アミラーゼ、空腹時血糖、尿等などの膵関連検査を適宣追
加する必要があります。

なお本剤には、併用禁忌・併用注意の薬剤が比較的多いので注意を
要します。
また本剤には、剤型として軟膏もあり、成人アトピー性皮膚炎の治
療にも用いられています。

測定方法:MEIA
検査材料:EDTA加血液
基準値:単位(ng/ml)5〜20

・禁忌
本剤注射液中の成分であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油に対し
過敏歴のある患者、シクロスポリン投与中の患者、カリウム保持性
利尿剤投与中の患者、妊婦又は妊娠している可能性のある患者には
投与を行わない。

・採血時期:次回投与直前
・主な商品名:プログラフ、プロトピック
・剤型:注射液、カプセル、軟膏
・主に用いられる疾患:肝・腎移植時における拒絶反応の抑制
 骨髄移植時における拒絶反応及び移植片対宿主病(GVHD)の抑制 
 アトピー性皮膚炎(外用薬)

・副作用
ショック、腎機能障害、急性腎不全、ネフローゼ症候群、膵機能障
害、高カリウム血症、高尿酸血症、高血糖、心不全、不整脈、狭心
症、心筋障害、中枢神経系障害、脳血管障害、血栓性微小血管障害
、汎血球減少症、血小板減少性紫斑病、皮膚粘膜眼症候群、リンパ腫 など

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