百日咳抗体EIA法 PT-IgGとFHA-IgGを測定
百日咳 は特有の咳が長期間続く伝染性呼吸器疾患で、小児特に乳幼児で重症化しやすい危険性があります。起因菌は百日咳菌(Bordetella pertussis)であり、この菌が持つ百日咳毒素(PT)により主に呼吸器異常を伴う病態が引き起こされます。
わが国では、DPT三種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風)ワクチンの普及とともに世界的に低い罹患率となった時期もありますが、接種率の低下とともに感染者数が増え、近年、特に成人の患者が増加してきています。成人では、咳が長期間続くものの比較的症状が軽いため、受診が遅れて周囲のワクチン未接種者などへの感染源となるおそれがあります。
本法では、PT(百日咳毒素)とFHA(線維状赤血球凝集素)に対するそれぞれのIgG抗体価をEIA法で測定します。
PT-IgGの抗体価は、百日咳の血清診断法として国内で広く用いられており、日本呼吸器学会が発表した「咳嗽に関するガイドライン(第2版)」にも記載されています。
また、PT・FHAはワクチンの主要抗原として使用されているため、DPTワクチンの効果判定にも有用です。
検査材料:血清
測定方法:EIA法
基準値:単位(EU/ml)PT-IgG 10未満 FHA-IgG 10未満