パルボウイルスB19 IgM - 伝染性紅斑(リンゴ病)の原因ウイルス。春に流行し妊婦では流産や胎児水腫の原因になります。

パルボウイルスB19 IgM

パルボウイルスB19 (parvovirus B19)は20nmの小型のウイルスで、
その名前はラテン語の「小さい」を意味する“parvus”に由来して
います。伝染性紅斑(erythema infectiosum)の原因ウイルスであ
り、頬が発疹でびまん性に赤くなることから一般に「リンゴ病」と
呼ばれています。

経口又は呼吸器系の分泌物による飛沫感染により伝播すると考えら
れており、輸血や血液製剤による感染経路も推定されています。
本ウイルスの宿主はヒト赤芽球系細胞で、ヒト以外には感染しませ
ん。通常は一過性感染ですが、免疫能が低下した患者では、活動性
の持続感染を起こすことがあります。日本では小児の30%、成人の
60%程度が不顕性感染を受けているとされています。

「リンゴ病」は、春に学童を主体に流行がみられ、感冒様症状の後、
顔に紅斑が出現し、続いて網目状の赤い発疹が体幹部および四肢に
出現します。なお、頬に紅斑が出現する頃には既に感染性はないと
されます。重症化することは稀ですが、妊婦の場合、胎盤を介して
胎児に感染し流産や胎児水腫を起こすことがあります。特に妊娠13
週〜16週に感染するとその傾向が強い。

診断は臨床症状の他に血清抗体価及びウイルスDNAの証明により行
なわれます。IgM抗体価は感染後1週間〜10日で上昇し始め、この頃
にはウイルス血症を起こしているため血清中でのウイルスDNAの同
定も有用です。IgG抗体は感染後2週間目頃より現れ始め、かなり長
期間陽性を保ちます。ウイルスDNAは、通常の経過では罹患後3週間
目頃まで検出されます。

検査材料:血清
検査方法:EIA
基準値:陰性(−) index 0.80 未満

陽性を示す病態
 パルボウイルスB19感染症(伝染性紅斑、リンゴ病)

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