2013年からの特定健診・特定保健指導制度の改訂
2013年4月より新たに健康日本21(第二次)が開始されました。本プロジェクトにおいては、当然特定健診・特定保健指導の実施率の向上が最大の標的となっていますが、実施率の上昇は単なるプロセスの改善であり、最終的には生活習慣の乱れから派生する脳血管障害、虚血性心疾患、高血圧症、脂質異常症、糖尿病性腎症などを減少させることが目標です。
この目的実施の為に、厚生労働省は2013年4月に新たに「標準的な健診保健指導プログラム(改訂版)」を作成し、このなかで新たな特定健診の具体的な数値目標を提示しました。ここでは10年後の2022年度には、例えば10万人当たりの年齢調整死亡率を脳血管疾患および虚血性心疾患で低下させること、収縮期血圧の平均値の低下、LDLコレステロール160mg/dl以上の者の減少、糖尿病有病者の増加抑制などにつき具体的な数値が示されています。しかし第一の目標はメタボ該当者およびその予備軍を2015年には2008年に比し25%減少させることと健診実施率の上昇です。
「標準的な健診・保健指導プログラム新旧対照表」によれば、健診においては今回からは以下の3点が改訂点として強調されています。
1)適切な条件で所定の検査を実施したうえで、健診結果を速やかに対象者に通知する。
2)対象者に自らの生活習慣などの問題点を発見・意識させ、療養および疾病予防に効果的につながるよう、どのような疾患のリスクが高まるのかをわかりやすく説明したり、生活習慣の具体的な改善方法を解説するなど、健診結果やそのほか必要な情報のフィードバックを行う。
3)健診を受診した結果、医療機関において専門的な治療を速やかに開始すべき者が見出される場合は、対象者に確実に受診奨励を行うとともに、実際に医療機関に受診したかの確認を行う。
今回の健診のあり方として重要なのは受診者に検査などの健診結果をわかりやすく説明し、より確実に自己管理や医療機関への受診をおこないやすくすることにあります。