主な測定法の概説P〜R
PA:粒子凝集法
Particle Agglutination Test
ゼラチン粒子などの担体に検出を目的とする抗体に対する抗原を結合させ、これと被検検体を反応させると、抗体が陽性の場合にはゼラチン粒子が凝集します。
PCR:ポリメラーゼ連鎖反応
Polymerase Chain Reaction
DNAの断片を増幅する方法です。目的とする領域のDNAを増幅するために、まず加熱し変性させ一本鎖DNAにします。次に2種のプライマーを混合させ適当な温度条件でアニールさせると各々のプライマーは変性したDNAと相補性のある塩基で対を形成し、DNAポリメラーゼの反応により鎖が伸長し、最初のDNA部分の鎖は1回だけ増幅されます。このプロセスを数十回繰り返していくと数百塩基対から数千塩基対のDNA断片のコピーをほぼ無限大に得ることができます。RNAを増幅する場合は逆転写酵素(reverse transcriptase: RT)によりcDNAに転換して増幅します。
PHA:受身赤血球凝集試験
Passive Hemagglutination Test
動物の赤血球に検出を目的とする抗体に対する抗原を結合させ、これに被検検体を反応させます。凝集が起これば陽性です。
PT法:Prothrombin Time method
凝固因子を測定する場合に、測定する凝固因子のみが欠乏している血漿を被検検体に加え、他の残りの凝固因子を全て充足した上でPT(プロトロンビン時間)を測定し、被検検体中の測定を目的とする凝固因子の活性を調べる測定法です。
REA:Radioenzymatic Assay
標的物質の有する酵素活性を放射性アイソトープ標識基質を用いて測定します。検体とアイソトープ標識基質を反応させ、その反応生成物量を放射活性より測定します。予め標準品を用いて作成した検量線から標的物質の活性を求めることができます。
RFLP:制限酵素断片長多型
Restriction Fragment Length Polymorphism
遺伝子多型が存在するDNA配列を、制限酵素断片の長さや数によって解析する方法全般を指します。必要量のDNAを採取して直接解析する場合や、PCRにより増幅したDNA断片を試料とする場合があります。
RIA:ラジオイムノアッセイ
Radioimmunoassay
測定を目的とする抗原に対する抗体を用いて、被検検体に抗体を加え抗原抗体反応を起こさせた後、さらにラジオアイソトープ(主に125I)で標識した抗体を入れて、複合体を形成した標識物(bound)と未反応物(free)を分離(B・F分離)し、放射活性を測定してB/Fの比率を求めて検量線から濃度を測定します。一般に二抗体法のような競合反応以外の方法をIRMAと呼んでいます。
RPHA:逆受身赤血球凝集試験
Reversed Passive Hemagglutination Test
検出しようとする抗原に対する抗体をある特定の動物の赤血球に吸着させたのち、被検検体と反応させると、抗原が陽性の場合には凝集を起こす性質を利用した検査方法です。
RPLA:逆受身ラテックス凝集試験
Reversed Passive Latex Agglutination Test
RPHA法と基本的な検出原理は同じくするが、抗体の固相化担体として動物赤血球に代えてラテックス粒子を用いるものです。
RRA:ラジオレセプターアッセイ
Radio Receptor Assay
ホルモンやビタミンDなどはそのレセプターと結合することで活性を持ちますが、その性質を応用して通常の抗原・抗体反応と同じ様に、測定を目的とする物質にレセプターを結合させ、その反応性により目的物質を定量する方法です。