UGT1A1遺伝子多型 抗がん剤イリノテカン 副作用発現予測 - UGT1A1 の遺伝子多型(UGT1A1*28、UGT1A1*6)を判定することにより、イリノテカン塩酸塩水和物の重篤な副作用発現の可能性を予測します。

UGT1A1遺伝子多型 抗がん剤イリノテカン 副作用発現予測

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UGT1A1 は肝臓のUDPグルクロン酸転移酵素(UGT:Uridine diphosphate glucuronosyltransferase)の分子種の1つであり、抗がん剤として世界で広く使用されている イリノテカン塩 酸塩水和物の代謝酵素です。
UGT1A1*28と*6は UGT1A1 の遺伝子多型であり、UGT1A1 の活性低下により イリノテカン の重篤な副作用の発現率が高くなることが報告されています。UGT1A1 の遺伝子多型(UGT1A1*28、UGT1A1*6)を判定することにより、イリノテカン塩酸塩水和物の重篤な副作用発現の可能性を予測し、安全で効率的な抗がん剤治療を補助します。

検査材料:血液(EDTA-2Na加)
測定方法:インベーダー法
判定結果の表示例
UGT1A1

イリノテカンと副作用について
イリノテカンは、大腸がんや肺がんをはじめ種々のがん種についても有用性が見出されおり適用が拡大されている治療薬です。イリノテカンはDNAの複製に関与するI型トポイソメラーゼの作用を抑制することにより強い抗腫瘍効果を発しますが、一方で白血球減少や下痢・吐き気などの重篤な副作用を引き起こす可能性があることも知られています。
イリノテカンは肝臓で代謝を受け、活性代謝物であるSN-38に変換され抗腫瘍作用を発します。その後、SN-38はUGTによって抱合反応を受けて不活化され腸管に排泄されますが、このUGT活性の個体間差が、イリノテカンの副作用の個体間差の原因の1つと考えられ、近年、UGT1A1遺伝子多型とイリノテカンの副作用発現の関係について多くの報告がされています。
日本において厚生労働省に認可されたイリノテカンの保険適応疾患は、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、子宮頚癌、卵巣癌、有棘細胞癌、悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)、胃癌、大腸癌、乳癌で、食道癌における効果も報告されてきています。

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