可溶性メソテリン関連ペプチド 悪性中皮腫の診断補助
可溶性メソテリン関連ペプチド(Soluble Moesothelin Related Peptides:SMRP)は、細胞膜に結合したメソテリンの可溶化蛋白であり、メソテリンは正常細胞では胸膜・心膜・腹膜等の中皮細胞に存在し、腫瘍細胞では悪性中皮腫・卵巣癌・肺癌等で発現します。メソテリンの生物学的機能に関しては、まだ詳細が解明されていませんが、腫瘍の転移に関連している可能性があります。
アスベスト曝露によって引き起こされる悪性胸膜中皮腫で陽性率84%を示し、中皮腫以外の胸膜疾患、胸膜以外の肺悪性腫瘍、胸膜以外の炎症性呼吸器疾患では陽性率が低いとされています。
中皮腫の臨床経過を反映するため、治療効果のモニターにも有用です。
検査材料:血清
測定方法:CLEIA
基準値:単位(nmol/L)1.5未満
※平成26年9月1日より保険適用 220点
ア.可溶性メソテリン関連ペプチドは、区分番号「D009」腫瘍マーカーの「19」膵癌胎児性抗原(POA)の所定点数に準じて算定する。
イ.本検査は、悪性中皮腫の診断の補助又は悪性中皮腫であると既に確定診断された患者に対して治療効果の判定若しくは経過観察を目的として実施した場合に算定する。
ウ.本検査を悪性中皮腫の診断の補助を目的として実施する場合は、以下のいずれかに該当する患者に対して使用した場合に限り算定する。この場合、本検査が必要である理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
(イ)石綿曝露歴があり、胸水、腹水等の貯留が認められる患者
(ロ)体腔液細胞診で悪性中皮腫が疑われる患者
(ハ)画像診断で胸膜腫瘍、腹膜腫瘍等の漿膜腫瘍が認められる患者
エ.本検査を悪性中皮腫の治療効果の判定又は経過観察を目的として実施する場合は、悪性中皮腫であると既に確定診断された患者に対して、本検査の結果に基づいて計画的な治療管理を行った場合に限り、区分番号「B001」特定疾患治療管理料の「3」悪性腫瘍特異物質治療管理料の「ロ」を算定する。