CA54/61 CA602
CA54/61(carbohydrate antigen 54/61)は、肺腺癌培養細胞株の培養上清抽出物を免疫原として作製されたモノクローナル抗体MA54およびMA61により認識される抗原で、その血中濃度は卵巣癌 (特にムチン性腺癌)で高頻度に上昇することが報告されています。
CA54/61の抗原構造は未だ確定していませんが、STNやCA72-4に用いられている抗体と互いに測定系の競合阻止反応を示すことから、抗体の認識部位はシアリルTn抗原の一部あるいは類似した構造と考えられています。
検査材料:血清
測定方法:EIA
基準値:単位(U/ml)12.0以下
高値を示す病態
卵巣癌(特にムチン性腺癌)、子宮頚癌、胃癌、胆道癌、膵癌など
CA602(carbohydrate antigen 602)は、野澤ら(1989)により卵巣明細胞腺癌(ovarian clear cell carcinoma)由来細胞株の培養上清を免疫原として作製されたモノクローナル抗体MA602-1およびMA602-6によって認識される抗原です。CA125分子上にそのエピトープが存在するとされています。
このため、CA602の血中動態はCA125によく一致し、両者の測定値には極めて高い相関が認められます。
検査材料:血清
測定方法:EIA
基準値:単位(U/ml)63.0以下
高値を示す病態
卵巣癌、子宮体癌、肝細胞癌、胆道癌、膵癌、子宮内膜症、腹膜炎、胸膜炎