黄体形成ホルモン(luteinizing hormone:LH)
黄体形成ホルモン(LH)はFSHとともに下垂体より分泌されるゴナ
ドトロピンです。卵巣や精巣などの性腺を刺激して性腺機能を維持
する働きがあり、LH-RHによる刺激と性ステロイドホルモンによる
フィードバックによりコントロールされています。また、下垂体自
体は視床下部や性腺など他の内分泌臓器とネットワークを組んで機
能しているため、LH測定はその把握にも役立ちます。
LH基礎分泌量は思春期前は低値であり、思春期後は徐々に増加し20
歳代前半でピークを迎えます。女性では性周期により値が大きく変
化するほか、閉経後は卵巣などの標的臓器の機能低下にともない40
歳半ばより急速に上昇します。
各種病態の把握にはLH-RHテストなどの負荷試験が必要です。
・検査材料:血清
・基準値:単位(mIU/ml)
男性:0.79〜5.72
女性:卵胞期 1.76〜10.24
排卵期 2.19〜88.33
黄体期 1.13〜14.22
閉経後 5.72〜64.31
・測定方法:CLIA
高値を示す病態
性腺機能低下・不全症(卵巣、または精巣機能低下症、[Turner
症候群、Klinefelter症候群、睾丸女性化症候群など])
低値を示す病態
下垂体機能低下・不全症(下垂体機能低下症、視床下部機能低下
症、神経性食欲異常症、Sheehan症候群、Simmonds症候群)