甲状腺ホルモン異常の病態 TSH高値 FT4低値 - TSH高値、FT4低値の場合、原発性甲状腺機能低下症が考えられます。原因として最も多いのが自己免疫性の慢性甲状腺炎(橋本病)です。二次検査として抗マイクロゾームあるいはTPO抗体、抗サイログロブリン抗体の測定、超音波検査などを行い診断します。

甲状腺ホルモン異常の病態 TSH高値 FT4低値

TSH高値、FT4低値の場合、原発性甲状腺機能低下症が考えられます。原因として最も多いのが自己免疫性の慢性甲状腺炎(橋本病)です。二次検査として抗マイクロゾームあるいはTPO抗体抗サイログロブリン抗体の測定、超音波検査などを行い診断します。
甲状腺の手術、放射性ヨード治療、頸部への放射線照射、薬剤(アミオダロン、リチウム、インターフェロン)により機能低下をきたす場合があり、既往歴・治療歴に注意が必要です。

甲状腺機能低下症の中には、ホルモンの低下が一時的で短期間にとどまり、未治療で機能正常に戻る病態(一過性甲状腺機能低下症)が存在します。破壊性甲状腺炎(亜急性甲状腺炎、無痛性甲状腺炎)の経過中に初期には甲状腺から血中にホルモンが放出され、血中ホルモンが上昇しますが、その後ホルモン産生が障害されるため機能低下になります。大部分は数か月以内に正常に戻るため、ホルモンの補充を必要としないことが多い。出産後女性で無痛性甲状腺炎の発症が多く認められ、出産後甲状腺炎として報告されています。
また、海藻類(特に昆布)の多量摂取、ヨードを含むうがい液の連用などによるヨードの過剰摂取が機能低下の原因となることがあります。基礎疾患に橋本病がある場合が多く、摂取を制限することにより可逆的にホルモンは正常化します。
新生児期に発症する先天性甲状腺機能低下症(クレチン病)は、甲状腺形成異常(無形性・低形成、異所性甲状腺)によるもの、ホルモン生合成障害によるものに分類されます。原因遺伝子が判明しているものとしては、甲状腺特異的転写因子(TTF1、TTF2)、PAX8、TSH受容体遺伝子の変異による甲状腺形成異常や、サイログロブリン、NIS、ペンドリン、TPO、甲状腺オキシダーゼ2遺伝子の異常によるホルモン生合成障害が知られています。

TSH低値、FT4高値
TSH低値、FT4正常
TSH正常または低値、FT4低値
TSH高値、FT4正常
TSH正常または高値、FT4高値

健康診断・血液検査MAP