ウイルス性肝炎検査:HBV−DNAラミブジン耐性遺伝子 - ラミブジン耐性HBVではMがV(バリン)、I(イソロイシン)に変異したYVDD、YIDDといった変異体が存在します。この変異を検出することはラミブジンを長期投与する場合において、病態の把握や予後の予測に重要です。

ウイルス性肝炎検査:HBV−DNAラミブジン耐性遺伝子

現在までのところB型肝炎ウイルス(HBV)感染症に対する有効
な治療法は未だ確立されておらず、抗ウイルス療法としてインター
フェロンが、免疫療法としてステロイドが用いられています。しか
しこれらの治療法では十分な効果が得られない症例もあります。

英国グラクソ社で開発されたラミブジン(Lamivudine:(-)-2'-deoxy
-3-thiacytidine)はHBVの逆転写酵素を阻害し、ウイルスの増殖
を抑える新しいHBVの抗ウイルス剤として臨床上注目されていま
す。しかし、この薬剤を長期投与した場合において変異体が出現し、
臨床効果を妨げていることが明らかになってきました。

その中で最も報告が多いのが、逆転移酵素に特徴的なチロシン(Y)
メチオニン(M)、アスパラギン酸(D)、アスパラギン酸(D)
で構成されるYMDDmotifと呼ばれる部分の変異です。
ラミブジン耐性HBVではMがV(バリン)、I(イソロイシン)
に変異したYVDD、YIDDといった変異体が存在します。この
変異を検出することはラミブジンを長期投与する場合において、病
態の把握や予後の予測に重要です。

本法はYMDDmotifのMがVやIへの変更をPCR−ELMAに
より高感度にHBVラミブジン耐性遺伝子を検出します。

測定方法: PCR-ELMA
HBV−DNAラミブジン耐性遺伝子の結果報告  
下記の3タイプの存在について(−)または(+)で報告 
「HBVラミブジンYMDD」(野生型:Met) 
「HBVラミブジンYVDD」(変異型:Val) 
「HBVラミブジンYIDD」(変異型:Ile) 
全てのタイプが検出されなかった場合:「検出せず」

適応疾患:B型肝炎ウイルス感染症

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