グリコアルブミン(GA)
グリコアルブミン(glycosylated albumin:GA)はグルコースとアルブミンが非酵素的に結合して生成される代表的な糖化蛋白です。
アルブミンの生理的半減期が約17日であることから、血中のグリコアルブミン量は過去1〜2週間の平均血糖値を反映します。グリコヘモグロビン(HbA1c)が過去1〜2カ月間の平均血糖値を反映するのに対し、より短期間の血糖変動の指標として開発されたのがGAです。
グリコアルブミンは、日常臨床上しばしば認められるヘモグロビン異常症(HbA1cの異常低値で発見されることが多い)ではHbA1cに代わる血糖コントロール指標として有用です。
臨床的意義はフルクトサミンとほぼ同様ですが、血清中の共存物質(ビリルビンなど)の影響をフルクトサミンよりも受けにくく、測定対象となる糖化蛋白が特定されるため血糖コントロール指標としての信頼性はより高いとされています。
また、特に透析患者において、グリコアルブミンは蛋白の糖化度を総量ではなく%で算出するため、フルクトサミンよりも低蛋白血症の影響を受けにくいので糖尿病性腎症合併患者の血糖コントロール指標としてフルクトサミンやHbA1cよりも意義が認められます。
具体的には、フルクトサミンは血中アルブミン濃度3〜4g/dl以下で低値傾向を示すのに比して、グリコアルブミンは 1.5g/dlのレベルまで測定可能とされています。またHbA1cと比較しても、腎不全に伴う高窒素血症で生ずるカルバミル化Hb(みかけ上高値をとる)の影響を受けない利点を持っています。
検査材料:血清
測定方法:酵素法
基準値:単位(%)12.3〜16.5
高値を示す病態
糖尿病(高血糖が持続した症例ほど高値)、甲状腺機能低下症
低値を示す病態
低蛋白血症(肝硬変、ネフローゼ症候群など)、甲状腺機能亢進症