C-ペプチド(CPR)血清・尿
C-ペプチドは、プロインスリンからインスリンを分解生成する過程に切り離されて生じる副産物です。プロインスリンから等モルのインスリンとC-ペプタイドを生じ、両者の血中分泌動態には基本的に並行関係が存在することから、C-ペプタイドを測定測定することによってインスリンの動態うを知ることができます。特に抗インスリン抗体の存在によってインスリン測定が困難な場合に有用です。
免疫学的手法にて測定されるC-ペプチドをCPR(C-peptide immunoreactivity) と呼び、こうした測定系で用いられる抗体は多少なりともプロインスリンに交差反応を示します。通常、膵ラ氏島B細胞から血中に前駆体のまま放出されるプロインスリンはごく微量であり実際上は無視することができますが、高プロインスリン血症を呈する場合は検査値に影響を与える場合があります。
また、C-ペプチドは尿中にも相当量排泄され、その増減は血中分泌量を反映することが知られています。ここでプロインスリンは尿中にほとんど排泄されないことから、血清を検体とする場合とは異なって、尿中CPRという場合、ほぼC-ペプチドそのものと見なして差し支えありません。
検査材料:血清・蓄尿(部分尿)
測定方法:CLIA
基準値:
血清 単位(ng/ml) 0.6〜1.8 (空腹時負荷前)
尿中 単位(μg/day)20.1〜155
高値を示す病態
インスリノーマ、肥満、肥満を伴う糖尿病、肝疾患、Cushing症候群、末端肥大症、異常インスリン血症、インスリン受容体異常症、インスリン自己免疫症候群