バセドウ病 甲状腺機能亢進
バセドウ病は自己免疫機構により甲状腺の活動が亢進する疾患です。自己の体内に甲状腺を刺激する抗体(抗TSHレセプター抗体)が生じ、それが甲状腺刺激ホルモン (TSH) の代わりに甲状腺を過剰に刺激するために、甲状腺ホルモンが産生され続けることにより発症します。
臨床的特徴
・甲状腺肥大・眼球突出・頻脈:メルゼブルク (Merseburg) の三徴
・低カリウム血症による低カリウム性周期性四肢麻痺
・体重減少
・心臓機能亢進による収縮期高血圧、時に心房細動
・発汗過多
・内分泌のバランスが崩れて精神的に不安定になる、イライラする、
集中力が低下する。
・甲状腺クリーゼ:突然重篤な甲状腺機能亢進状態となる合併症。
高熱、頻脈、嘔吐、下痢、意識障害などを来す。生命に関わるこ
ともあるため注意を要します。
関連自己抗体
・抗TSHレセプター抗体、甲状腺刺激抗体
バセドウ病未治療例の90%が陽性
・抗サイログロブリン(Tg)抗体
・抗甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)抗体
バセドウ病の他、慢性甲状腺炎(橋本病)でも高率に出現。他の甲状腺疾患でも検出される
・MPO−ANCA
バセドウ病に対する治療薬であるプロピルチオウラシル投与後に陽性になる症例が報告されています。