CK-MB定量(CPK-MB定量)アイソザイム - CKが高値の場合に由来臓器を調べる検査。脳、骨格筋、心筋由来別にCK-BB、MM、MBに分けられる。

CK-MB定量(CPK-MB定量)アイソザイム

クレアチンキナーゼ(CK)はクレアチンフォスフォキナーゼ(CPK)ともいわれ、クレアチンリン酸とADPからクレアチンとATPを生成する酵素です。骨格筋、心筋、平滑筋、脳などに多く含まれ、それらの部位が損傷を受けると血中に逸脱します。

ヒトCKはすべて2量体で臓器特異性があり、骨格筋型(MM)、脳型(BB)、ハイブリッド型(MB、心筋型)の三つのアイソザイムで構成されています。通常、血中では大半が骨格筋型のCK-MMであり、CK-BBはほとんど認められず、CK-MBは心筋の障害以外はわずかに検出されるにすぎません。また異常分画としてミトコンドリア由来のCKや、免疫グロブリン結合型のCK(マクロCK)も存在します。これらはアイソザイムのザイモグラムパターン(泳動像)により推測することが可能です。

MB型は心筋由来であるため、心筋逸脱マーカーとしてCK-MBの蛋白量が測定され、心筋梗塞の診断や発作時のモニタリングによく用いられます。
血中CKは骨格筋の量を反映するため、総CK活性には性差が認められます。女性は男性よりも低値。また筋肉注射、激しい運動(不慣れの場合は顕著)、採血時の大泣き、カウンターショック等でも上昇がみられます。またCKは血球中には含まれていませんが、溶血検体の場合は赤血球中のadenylate kinaseによりCKが見かけ上高値となる場合があります。

検査材料:血清
測定方法:CLIA
基準値:単位(ng/ml)5.2 以下

・高値を示す病態
[CK-BB]:脳挫傷、ウイルス性髄膜炎、心停止などの血流障害などによる脳障害、悪性腫瘍(前立腺、膀胱、消化器、乳癌、肺癌など)

[CK-MB]:急性心筋梗塞、心筋障害の急性期、アルコール依存症、アルコール性ミオパチー

[CK-MM]:筋原性疾患(横紋筋融解症、進行性筋ジストロフィー、多発性筋炎など)、甲状腺機能低下症 など

・低値を示す病態
甲状腺機能亢進症、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、関節リウマチ など

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