強皮症の診断基準 (厚生省強皮症調査研究班、1992年)
1中手指関節より近位の皮膚硬化(proximal sclerodema )ありのとき
1)Raynaud症状
2)抗核抗体値の異常
判定:1)あるいは2)の一方でも陽性の場合は強皮症と診断してよい。
1)、2)ともに陰性の場合には2の1)、2の2)を参考にして
診断する。
2中手指関節より近位の皮膚硬化(proximal scleroderma)なしのとき
1)皮膚・粘膜症状
(1)sclerodactylia
(2)その他の皮膚・粘膜症状
(a)pitting scar
(b)爪上皮の延長
(c) 全身色素沈着
(d) 顆粒状角化
(e) 舌小帯の短縮
1)が陽性か 2)の(a)〜(b)の5項目中2項目以上が陽性の
場合を(+)とする
2)検査所見
(1)両下肺野線維症(X-PまたはCT)
(2)食道下部無動性拡張または蠕動低下(X-Pまたは内圧検査)
(3)組織学的硬化(前腕伸側皮膚)
(4)血清検査(a)か(b)のいずれかの陽性を(+)とする。
(a)トポイソメラーゼI抗体
(b)セントロメア抗体
(1)〜(4)の4項目中2項目以上が陽性の場合を(+)とする。
判定:1)および2)の両項目が(+)の場合のみ強皮症と診断してよい
注)2)の(4)血清検査において抗RNP抗体が高値の場合には
混合性結合組織病(MCTD)も考慮される。