においを起こす物質は揮発性をもち、におい粒子として空気の中を通って鼻腔にある嗅覚器に達します。ヒトの嗅覚器は、上鼻道の内側腔と外側壁で篩骨(しこつ)の篩板の下方にある鼻粘膜部の嗅上皮です。この部分は黄褐色をしているのでピンク色の他の呼吸器の部分と区別できます。
鼻粘膜嗅部の嗅上皮に純漿液腺の嗅腺があります。この腺をボーマン腺といい、その分泌物は嗅粘膜を潤し粘膜表面を洗い流す役割があるとされています。
鼻粘膜嗅部は感覚細胞の嗅細胞がある部位で、その面積は両側の鼻腔を合わせて約5㎠ほどの嗅覚領域です。鼻粘膜は嗅細胞と呼ばれる特殊な」上皮組織で覆われ、嗅細胞と支持細胞でできています。
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