左脳と右脳のしくみと働き

長い間、右脳は感性・独創性・企画力などを司る創造的なソフトの脳で、左脳は言語・計算など機械的ないわばハード的な脳とされていました。しかし、近年全く新しい研究が行われ、左右の脳は別々の感情を司ること、右脳と左脳の役割はそれほど簡単に言い切ることはできないことなどがわかってきました。
さらに従来言われてきたことと違って、右脳はうつの感情を生み、左脳は幸福感をもたらすことがわかりました。実際、脳梗塞になった人の場合を調べると、右脳が脳梗塞になった人は、左脳が積極的に働こうとするので、ものの見方が楽観的になりますが、左脳が脳梗塞になった人は、右脳ばかりが働くので悲観的になります。

従来は創造的ではないといって否定されていた音読や計算は、左脳を活性化し、脳内を明るくする方法であることがわかりました。また、うつ病の親に育てられた子どもは、感情が暗くなりやすいのですが、子のような子どもの脳波を調べると、左脳の脳波の活動は低下していて、右脳の脳波は活発になっていることがわかりました。

うつ病の治療法に、脳の表面に磁場を作り、脳内に電流を流す「rTMS(反復性経頭蓋磁気刺激法)」というものがあります。左脳の前頭前野の部位に電流を流すと、うつ病が改善されるというものです。
最近の研究では、海馬の細胞が抑制されるとうつ状態になることがわかっていますが、右脳の活性の高い人は、抑制物質のコルチゾール(副腎皮質ホルモン)の分泌が盛んになっていることもわかりました。
このように考えると、いたずらに右脳を刺激するなどという方法が本当にあるの
としたら危険極まりないということになります

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このページは、が2021年12月 8日 00:03に書いたブログ記事です。

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