口腔の構造と歯

驚異の食物粉砕小世界である口腔では、口に含んで歯で噛み砕き無理なく食道に送り込む作業が行われます。
口腔は、歯列より内側で上面は硬口蓋・軟口蓋に、下面は舌に、また側面は頬によって囲まれ、奥は口蓋垂までの空間のことをいいます。また口腔は口腔前庭と固有口腔とに区別されます。
口腔前庭は、上下の歯列および歯槽部の前方と外側とにある馬蹄形の狭い空間で、後は固有口腔に接しています。口腔前庭をさらに上・下の歯列の間を入ると固有口腔になります。

口腔

固有口腔の上壁を口蓋と呼び、口腔と鼻腔との隔壁になっています。また、口腔の底は舌がその大部分を占めます。後方は口峡によって咽頭に通じています。
歯は上顎骨と下顎骨の歯槽部(上顎骨は歯槽突起)に馬蹄形の配列を作り、これを上歯列弓と下歯列弓といいます。
歯は歯冠・歯頚・歯根の3つに分けます。歯冠は外部に現れた部分で極めて硬いエナメル質で覆われています。歯の表面に垂直に並ぶエナメル小柱という柱状物質の集合体です。

歯根は歯槽のなかに埋まっている部分で、その表面はセメント質の薄い層で覆われ、歯根膜によって歯槽の壁としっかり結合しています。
歯冠と歯根のの境は少しくびれていて、これを歯頚といい上顎骨と下顎骨の縁を包む歯肉と呼ばれる粘膜に囲まれています。歯冠と歯根との内部には歯髄腔があり、その中に血管や神経に富む柔らかい歯髄を満たしています。歯髄腔は歯根の中を歯根管として走り、歯根の先端で歯根尖孔となって外に開きます。歯根尖孔から血管や神経が歯髄腔の中に入り、歯髄に分布しています。
歯髄腔の壁になっている硬い組織層を象牙質と呼び、歯の主体をなしています。歯は、その存在する時期によって乳歯と永久歯に区別します。

このブログ記事について

このページは、が2021年9月26日 16:56に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「頭部の筋肉のしくみ」です。

次のブログ記事は「心臓の働き 一定のリズムで働くポンプ」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。