筋肉の収縮のしくみ

筋肉の収縮は神経線維を通ってくる刺激によって起こされ、1回の刺激で1回だけ収縮し元に戻ります。
骨格筋は、筋線維と呼ばれる長円筒形細胞が互いに膜で結合して構成されています。筋線維は、糸状の筋原線維からなり、筋原線維の中にはさらに骨格筋の層状構造の最小単位であるアクチンフィラメントとミオシンフィラメントと呼ばれるタンパク質線維があります。
骨格筋の収縮は、神経の刺激(インパルス)を受けたこの2種類のタンパク質線維の間の反応によって起こります。
筋肉が短く太くなるという収縮運動は、筋線維1つ1つの収縮の統合されたものです。

筋線維は1回の刺激に対して1回だけ収縮し、ついで弛緩して元に戻ります。この過程を攣縮といいます。
筋線維は1回収縮すると、少し時間が経たないと次の刺激に続いて反応できません。この反応できない時間を不応期といいます。しかし、不応期の時間はきわめて短いとされています。
筋線維が収縮するためには、刺激の強さがある一定度に達しないと起こりません。また、それ以上になっても収縮が強くなるわけではありません。すなわち、刺激にには閾値があって、筋肉の収縮は刺激が閾値以下であっても、以上であっても強くならないということです。
筋線維は収縮しても太く短くなるだけで体積は変化しません。したがって筋も収縮すると太く短くなります。

筋線維が収縮するためのエネルギーは、肝臓や筋肉内に蓄えられるグリコーゲンがブドウ糖になる化学変化によって得られます。グリコーゲンの化学変化に必要な酸素は呼吸によって供給されます。
筋線維(筋肉)を長時間反復刺激すると攣縮が次第に小さくなり、ついには大きな刺激を与えても攣縮しなくなります。これを筋肉の疲労といいます。酸素が不足して乳酸の量が増してくると筋肉の疲労が起こります。筋は収縮にともなって熱を発生し、電気的変動が現れます。

このブログ記事について

このページは、が2021年8月 9日 14:19に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「骨のかたちと構造」です。

次のブログ記事は「副腎(腎上体)」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。