腎臓の働き 血液を濾過して尿を排出し体液濃度を調節

腎臓は、血液を濾過して老廃物の尿を排出し、体液濃度を調節する重要な機能をもっています。

糸球体は腎動脈の末端の毛細血管で、腎静脈の毛細管につながります。血液中の尿成分は、ここで濾過され糸球体の嚢の中に入り、この嚢に連絡する尿細管に入ります。

多数の尿細管は最初腎小体付近でうねり、そこから放射状に髄質の方向に直行し、髄質内で入ってから再び戻って腎小体付近でうねります。その後多くの尿細管がしだいに合流して集合管となり、太くなって腎錐体に入り、髄質中を互いに並行して走り、最後に腎乳頭内の乳頭管となって腎盂(腎盤)に開きます。

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尿細管は100〜150万本もあるため、腎臓内部は放射線の集合構造に見えます。
腎動脈は腎門から入って、腎臓内部で細かく分岐し、腎小体の内部で毛細動脈の網(糸球体)を作り、血液中の水溶性の物質(尿成分・炭水化物・無機塩類など)はここで糸球体を包む上皮性の糸球体嚢の中に水分とともに分泌されます。この分泌物は、次いで尿細管の中を流れますが、その一部は尿細管を通過中に、再び血流の中に吸収され、残ったものだけが尿として集合管から腎盂に排出されます。尿細管における再吸収の現象は体液の濃度を調節する重要な役割をもっています。

尿は淡黄色の液体で、固有の臭気があり、肉食の場合は弱酸性、採食の場合は弱アルカリ性になります。成人の1日の尿量は1〜1.5Lで、水分の摂取量や気候になどによって変化します。
尿の成分は、水が95%を占め、残りが固形物です。固形成分は尿素(肝臓内で尿酸とアンモニアから合成される)、尿酸、尿色素(胆汁色素から変化したウロビリン)などの有機物と塩化ナトリウム、リン酸塩、硫酸塩などの無機物です。1Lの尿中で、固形物は50〜70gを占め、無機物としては塩化ナトリウムが、有機物としては尿素が最も多く含まれています。
排尿は1日に4〜5回が一般的ですが、1回の尿量がいつもと同じで、回数が10回以上であれば、糖尿病や腎炎の初期、尿崩症などを疑います。また50歳以上の男性で排尿の回数がふ増え、尿の出る勢いが弱く感じられたら前立腺肥大を疑います。女性で回数が多く、1回の量が少なく痛みなどの不快感を伴う場合は膀胱炎を疑います。

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このページは、が2021年6月 6日 17:29に書いたブログ記事です。

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