内分泌腺 下垂体のはたらき

下垂体(または脳下垂体・下生体)は、間脳の前下部にある小指頭大の内分泌腺で、蝶形骨の下垂体窩にあり間脳の視床下部から細い柄でつながっています。
下垂体は、前葉(腺下垂体)、後葉(神経下垂体)、中間部(隆起葉)の3つの部分に区別されます。
前葉から分泌されるホルモンには、成長ホルモン(GH)・性腺刺激ホルモン・黄体刺激ホルモン・甲状腺刺激ホルモンなどがあります。

Pituitary gland image.png

中間部は、前葉と後葉との間の狭い部分で、コロイドを含んだ小胞からできています。この部分から分泌されるメラニン細胞刺激ホルモンは、皮膚でのメラニン合成を促進します。
後葉ホルモンには、オキシトシンとバゾプレッシンがあります。これらは間脳の視床下部の神経細胞体でつくられ、神経突起の末端に伝達されるとホルモンが直接血中へ分泌されます。このようなしくみを神経分泌といいます。

オキシトシンは後葉から神経分泌によって分泌され、妊娠している子宮に作用して子宮筋の収縮を促進します。また、オキシトシンは成熟した乳腺に作用し、その平滑筋を収縮することによって、乳汁の分泌を促進します。
バゾプレッシンも下垂体後葉から神経分泌によって分泌され、腎臓の尿細管での水の再吸収促進させるため、抗利尿ホルモン(ADH)と呼ばれます。このホルモンは血管の平滑筋を収縮させて血圧を上昇させるはたらきもあります。
松果体は間脳の後上部にある小豆粒大の器官で形がマツカサに似ています。ホルモンであるメラトニンを分泌します。メラトニンは性腺の早熟を抑制しているといわれ、思春期以降に萎縮します。

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このページは、が2021年3月27日 01:16に書いたブログ記事です。

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