スポンサードリンク
1989年、米国Chiron社のChooらによりHCV遺伝子断片のクロ
ーニングが行なわれ、5-1-1にはじまるC100−3抗体の測定に
より非A非B肝炎の病原ウイルスとしてHCVが同定されました。
HCVは、全長約9.5kbの1本鎖(+)RNAゲノムをもつウィルス
で、ゲノム構造は、5'-非翻訳、翻訳領域、3'-非翻訳の領域からな
る。約3000アミノ酸残基からなる翻訳領域は構造蛋白として、コア
蛋白c、エンベロープ蛋白(E1・E2/NS1)、非構造蛋白としてNS2
NS3、NS4、NS5があります。ゲノム各領域のクローニング
が行われ、リコンビナント抗原や合成ペプチド抗原が多く作製され、
それを用いた種々のHCV抗体検査法が開発され、C型肝炎のスク
リーニングや診断、病態、予後の把握、治療効果判定などが可能と
なっています。
HCV抗体検査は、大きく3つに分類され、それぞれ次の様な特徴
をもっています。
・第1世代抗体(NS抗体):本測定系ではNS3・NS4領域に対応した
リコンビナント抗原(C100-3)のみを用いており、急性肝炎におい
ては早期診断ができず、偽陰性や偽陽性を示す欠点がありますが、
抗体価は肝細胞障害の程度(GOT・GPT)と密接に相関するため、病
態の把握を目的とした経過観察に適しています。
・第2・第3世代抗体:コア領域、NS3・NS4・NS5(第3世代のみ)
に対応した、リコンビナント抗原を用いた抗体測定系で、3種類の
抗原を用いることで、感度・特異性に優れているため、スクリーニ
ングに最も適しています。
・コア抗体:コア領域に対応したリコンビナント抗原(C22-3など)
を用いた抗体測定系で、抗体価は定量性をもちます。HCVのウイ
レミアの有無と密接に相関することから、IFN治療などの経過観
察や効果判定に適しています。
・GOR抗体:HCV感染に伴い産生されるコア抗体と、宿主の核
内自己抗原の双方を認識する自己抗体的ウイルス抗体で、急性肝炎
の予後の予測やIFN治療時の効果判定に適しています。
異常値を示す疾患・病態
適応疾患:C型肝炎
▽ウイルス性肝炎検査:HCV抗体 のキーワード
▽次の記事、前の記事
スポンサードリンク
当サイトのRSS
サイトについて
注意事項新着アイテム
ジャンル
Copyright (C) 2008
by 健康診断・血液検査MAP