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生体内に含まれるリン(P)は体重70kgの人間で500〜700gといわれ、カルシウム(Ca)の約1/2程度の量が生体内に存在します。
リンは無機リンと有機リンに分別され、血中では約70%が有機リンであり、有機リンのほとんどがリン脂質として存在します。リンの大部分は骨や軟部組織に存在し、骨細胞外液中に存在するリンは全体の1%以下です。また測定対象となる血清無機リンは総量にして約100〜120 mgにすぎません。
食物より摂取されたリンは55〜70%が腸管より吸収され、活性型ビタミンDや成長ホルモン(GH)などにより吸収が促進されます。また副甲状腺ホルモン(PTH)や甲状腺ホルモン、糖質コルチコイドの作用により尿中排泄が調節されています。
リンはカルシウムと同様に骨ミネラルの重要な構成成分です。生体内の重要な陰イオンのひとつであり、細胞膜や核酸の構成成分、またアデノシン3リン酸(ATP)に見られるような高エネルギーリン酸結合の成分として大変重要です。リン欠乏による低リン血症は、細胞内ATPの不足や2,3-DPGの低下をもたらし、組織障害をおこすことがあります。
リンの尿中排泄は主にPTHにより調節されているため、血清無機リンの異常がみられたときはリン再吸収率試験(tubular reabsorption of phosphate,%TRP)を行ない尿細管の再吸収能を測定します。副甲状腺機能低下症の場合、%TRPは増加するため高リン血症がみられます。逆に副甲状腺機能亢進症の場合は、%TRPが減少し低リン血症を起こします。
%TRPは以下の式により算出されます。
%TRP={1−(尿中リン×血清クレアチニン)/(血清リン×尿中クレアチニン)}×100
(基準範囲は81〜90%)
検査材料:血清
測定方法:酵素法
基準値:単位(mg/dl)2.5〜4.5
尿中無機リン基準値:単位(g/day)0.4〜1.2
高値を示す病態
原発性副甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症、腎不全、重症溶血、糖尿病性アシドーシス など
低値を示す病態
副甲状腺機能亢進症、尿細管アシドーシス
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