HIV-1/2感染症の診断法の実際・スクリーニング・確認検査

HIV-1/2感染症の診断法の実際及びスクリーニング及び確認検査の概要をまとめています。

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HIV-1/2感染症の診断法の実際・スクリーニング・確認検査

スクリーニング検査
1)診断薬としては、HIV-1/2に対するスクリーニング検査法の中から、最新の情報により感度が十分に高い製品を選択する。
2)原則として、スクリーニング検査にはHIV-1抗原とHIV-1/2抗体の同時測定系の使用を推奨。ウインドウピリオドの短縮が大切な場合、例えば供血者の検査や急性感染が疑われる症例の検査には必須です。(スクリーニング検査が陰性時のHIV-1感染の診断は、HIV-1核酸増幅検査(RT-PCR法)によるHIV-1RNAを検出することによってもできますが、現時点ではこの目的のためには保険の適応はありません)
3)現在市販されている抗原・抗体同時検出法は、抗体についてはHIV-1/2両者に対応していますが、抗原はHIV-1のみに対応しているので注意が必要です。
4)診断薬によっては、判定として「陰性」と「陽性」の他に「保留」の存在するものがありますが、スクリーニング検査結果の取扱いにおいて「保留」は「陽性」と同等に取り扱うことが推奨されます。
5)スクリーニング検査の結果判定とその後の対応は以下の通りです。
A「陰性」の場合
a)感染のリスクがない例はこの時点で「非感染」と診断する
b)感染のリスクがある場合や急性感染期を疑う症状がある場合は、ウインドウピリオドの可能性があるのでHIV-1核酸増幅検査(RT-PCR法)による確認検査を行うべきです。(ただし、現時点ではこの目的のためには保険適応はない)
c)上記のb)の結果HIV-1RNAを検出しなかった場合でも、感染リスクがある場合は期間をあけて再度検査を行う必要があります。

B「陽性」または「保留」の場合
本人へ結果とその意味(偽陽性の可能性を含む)を十分に説明の上、確認検査を実施する。

確認検査
確認検査は、HIV-1のウエスタンブロット法とHIV-1核酸増幅検査(RT-PCR法)の両者を同時に実施する。
1)HIVウエスタンブロット法が「陽性」の場合HIV-1核酸増幅検査(RT-PCR法)の結果に関わらずHIV-1の感染者とする。
2)HIVウエスタンブロット法が「保留」の場合
a)HIV-1核酸増幅検査(RT-PCR法)の結果が「陽性」であればHIV-1急性感染者と考える。ただし、確定診断には後日(3〜4週後)にウエスタンブロット法の陽性を確認する必要あり。
b)HIV-1核酸増幅検査(RT-PCR法)の結果が「検出せず」の場合はHIV-2のウエスタンブロット法を実施し陽性であればHIV-2感染者と診断する。陰性または保留の場合は2週間後にスクリーニングから再検査を受けるように勧める。再検査で陰性であれば非感染と判定する。

3)HIVウエスタンブロット法が「陰性」の場合
a)HIV-1核酸増幅検査(RT-PCR法)の結果が「陽性」であればHIV-1急性感染者と考える。ただし、確定診断には後日(3〜4週後)にウエスタンブロット法の陽性を確認する必要あり。
b)HIV-1核酸増幅検査(RT-PCR法)の結果が「検出せず」の場合はHIV-2のウエスタンブロット法を実施し陽性であればHIV-2感染者と診断する。陰性または保留の場合は2週間後にスクリーニングから再検査を受けるように勧める。再検査で陰性であれば非感染と判定する。

4)母子感染の診断
母親から児への移行抗体が存在するため抗体検査は有用ではない。児の血液中のHIV-1抗原またはHIV-1核酸増幅検査(RT-PCR法)が陽性の場合にHIV-1感染と診断する。

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