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末梢血液をスライドグラス上に塗沫し、染色鏡検することで、白血
球の形態異常、あるいは種類の偏りを明らかにする、基本的な検査
です。感染症や各種白血病、血液系の悪性腫瘍など様々な疾患の鑑
別診断に有用です。
一般に細菌感染症では好中球が増加し、核の左方移動(桿状核球な
ど骨髄から出てきて間もない好中球の増加)がみられます。高齢者
の炎症性疾患では、白血球増多がなくても核の左方移動で炎症の存
在を推定することができます。
一方ウイルス感染では、リンパ球の比率が高まる場合が多いが、白
血球数そのものは減少する場合も稀ではありません。ウイルスの種
類によっては異型リンパ球が認められます。
白血病など血液系の悪性腫瘍では、骨髄芽球など、通常は骨髄内に
留まり末血には出現しない幼若な白血球が認められ、病状の進行に
従い多数を占めるようになります。出現した芽球の性質を検索する
ため、特殊染色やフローサイトメトリーによる表面マーカーの検索
が行われます。血液系悪性腫瘍の確定診断には、骨髄穿刺が有用で
す。
白血球の比率を示す白血球分画は、ヒトでは成長に伴って変化します。
生まれたての新生児では、好中球が主体ですが、およそ生後2日目
から幼時期はリンパ球主体となります。成人と同じ好中球主体にな
るのは、学童期以降です。
基準値 (単位%)
Neut (好中球) 40.0〜75.0
Neut-Stab (桿状核球) 1.0〜 7.0
Neut-Seg (分葉核球) 34.0〜70.0
Lymphocyte(リンパ球) 18.0〜49.0
Mono (単球) 2.0〜10.0
Eosino (好酸球) 0.0〜 8.0
Baso (好塩基球) 0.0〜 2.0
A-Lymphocyte (異型リンパ球) 0.0
Myeloblast (骨髄芽球) 0.0
Pro-Myelo (前骨髄球) 0.0
Myelo (骨髄球) 0.0
Meta-Myelo (後骨髄球) 0.0
EBL (赤芽球) 0個 / 200・WBC
高値を示す病態
・好中球増加
急性感染症、悪性腫瘍、白血病(慢性骨髄性)、炎症性疾患
・リンパ球増加
伝染性単核症、リンパ性白血病、百日咳、流行性耳下腺炎、
一部の慢性感染症
・好酸球増加
各種のアレルギー疾患、寄生虫症、猩紅熱、膠原病
・好塩基球の増加
骨髄増殖症候群、CML(慢性骨髄性白血病とくに急性転化時)
・単球の増加
単球性白血病、発疹性の感染症(麻疹など)
低値を示す病態
・好中球減少
ウイルス性疾患、時に重症感染症、中毒、脾腫
注)採血後、塗抹までの時間が長い場合、白血球の破壊,変形が進
みリンパ球,単球の比率が高くなる傾向がある。また好中球も分葉が
進む場合があり注意を要する。
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