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網状赤血球は赤血球の中で最も若いもので、赤芽球が成熟し脱核し
た1〜2日以内の赤血球です。網状赤血球の増加は骨髄での赤血球
産生の亢進の指標となります。
網状赤血球内部には核の残留物であるRNAが含まれ、網状顆粒物
質として存在しています。通常の染色標本では大型の多染性赤血球
として認められますが、超生体染色を行うと網状あるいは顆粒状に
染め出されます。通常は赤血球1000個中における網状赤血球比率
(‰:パーミル)として表示されています。
網状赤血球数は、赤血球産生の亢進あるいは低下を反映して増減し
ます。鉄欠乏性貧血や巨赤芽球性貧血の治療により赤血球数やヘモ
グロビン値に先立って増加するため、治療効果の早期判定に有用で
す。
網状赤血球の増加を示す疾患としては、溶血性貧血、ビタミンB12
欠乏性貧血、葉酸欠乏性貧血、鉄欠乏性貧血、巨赤芽球性貧血など
があげられます。溶血性貧血では同時にみられる所見として赤血球
寿命の短縮、間接型血清ビリルビンの増加、ハプトグロビンの低下
等を伴います。網状赤血球が減少する疾患としては、急性白血病や
再生不良性貧血があり、これらに関しては末梢血液所見と共に骨髄
所見等による診断が必要となります。
基準値:4〜19 (‰)
高値を示す病態
溶血性貧血、急性出血性貧血、鉄欠乏性貧血の回復期、巨赤芽球
性貧血の治療時、摘脾後
低値を示す病態
再生不良性貧血、急性白血病
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