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ヘマトクリット値(Ht)とは、血液中に占める赤血球の全容積を
パーセントで表現した値です。貧血で減少し、多血症で高値をとな
ります。
ヘマトクリットは赤血球数や血色素量と合わせて測定されるのが一
般的です。真性多血症では、Ht70%以上でヘモグロビン20g/dl以
上、赤血球800万/μl以上という症例も報告されています。
一方、貧血症例でHtは低値となりますが、赤血球数とヘモグロビ
ン(血色素量)およびHtは必ずしも並行せず、病態によって異な
る動きを示します。このためHtと赤血球数からMCV(mean corpuscular
volume)すなわち赤血球の1個当りの平均容積を算出し、正球性・
小球性・大球性貧血の鑑別が行われます。
一般に女性では、月経や鉄分摂取不足による鉄欠乏性貧血が多く、
MCV低値、血清鉄低値がみられます。中高年以上で原因不明の正
〜小球性貧血をみた場合は、消化管等の悪性腫瘍を疑い、精査を行
う必要があります。
基準値:M 40.0〜50.0 F 35.0〜45.0 (%)
高値を示す病態
真性多血症、二次性多血症(高地居住者、慢性呼吸器疾患など)
脱水、新生児
低値を示す病態
・小球性貧血(MCV低値)
鉄欠乏性貧血、鉄芽球性貧血、サラセミア など
・正球性貧血(MCV正常)
急性溶血性貧血、再生不良性貧血、出血性貧血 など
・大球性貧血(MCV高値)
巨赤芽球性貧血(悪性貧血、葉酸欠乏性貧血) など
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