慢性疾患に伴う貧血 ACD - 貧血

貧血は血液疾患のうち、出現頻度のもっとも高いものです。検診などの血液一般検査でヘモグロビン値の低下として認められます。

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慢性疾患に伴う貧血 ACD

慢性感染症・膠原病などの非感染性慢性炎症性疾患や悪性腫瘍に続発する貧血は、慢性疾患に伴う貧血(anemia of clronic disorders:ACD)と総称され炎症性貧血とも呼ばれています。
ACDの発生機序として骨髄での赤血球産生能の低下や鉄代謝異常(網内系鉄ブロック)が想定されています。炎症時に増加するTNF(tumor necrosisi factor)-a、インターロイキン-1(IL-1)、インターフェロン(IFN)-γなどの炎症性サイトカインは、骨髄での赤血球産生を直接抑制するとともに、腎臓におけるエリスロポエチンの分泌低下、エリスロポエチンに対する骨髄反応の低下などに関与しています。

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巨赤芽球性貧血と悪性貧血

巨赤芽球性貧血は核酸合成の異常によって起こり、核酸の合成に関
するビタミンB12や葉酸の欠乏が主な原因です。したがって、悪
性貧血のほか栄養障害や腸管吸収障害でもみられます。巨赤芽球性
貧血のうち、ビタミンB12の欠乏による貧血をとくに悪性貧血と
いいます。

悪性貧血の原因
1)ビタミンB12(外因子)と結合してB12の吸収を助ける内
因子(トランスコバラミン)の欠乏
2)内因子に対する自己抗体がある場合
3)胃の壁細胞に対する抗体(抗胃壁細胞抗体)がある場合
4)内因子とB12の結合物に対する抗体が存在するとき
5)胃全摘術後

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貧血:赤血球の生成と崩壊

貧血の成り立ちを考えるうえで理解しておかなくてはならにことに、
赤血球の生成・崩壊があります。
骨髄で生成された赤血球は抹消循環系に入り、酸素運搬などの機能
を営むうちにしだいに老化が進み、寿命が尽きると網内系に捕獲さ
れ処理されます。通常120日前後でその一生を終えますので、体の
中の赤血球の1/120は毎日崩壊し、新たにこれに見合うだけの赤血
球が作られて赤血球数を維持しています。この生成に問題があると
き、あるいは崩壊が生理的な状態よりも加速されたときに貧血が起
こります。

貧血が起こったときには生体は酸素欠乏状態になりますが、腎はこ
れを関知しエリスロポエチンを産生させます。エリスロポエチンは
赤血球系幹細胞の分化を促進するので、これにより大量の赤血球が
作られ抹消血に供給されます。

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貧血 のアイテム
赤血球像・赤血球所見
末梢血液塗沫標本により、赤血球の大きさ、形態、染色性、封入物などを観察する検査です。各種貧血や、髄外造血などの血液疾患、寄生虫の有無などを評価できます。
赤血球封入体・その他の異常
末梢血液塗沫標本で認められる赤血球封入体には、塩基性斑点・パッペンハイマー小体・ハウエル・ジョリー小体・マラリア原虫などがあります。
赤血球形態異常
末梢血液塗沫標本で認められる赤血球の形態異常で、破砕赤血球・球状赤血球・標的赤血球・涙滴赤血球・楕円赤血球などがあります。
網状赤血球数(reticulocyte)
網状赤血球は赤血球の中で最も若いもので、赤芽球が成熟し脱核した1〜2日以内の赤血球です。
ヘマトクリット(hematocrit:Ht)
ヘマトクリット値(Ht)とは、血液中に占める赤血球の全容積をパーセントで表現した値です。貧血で減少し、多血症で高値をとなります。
ヘモグロビン(hemoglobin:Hb)
血液中の血色素であるヘモグロビン量を測定する検査。貧血等の血液疾患のスクリーニング検査として用いられる。
赤血球数(red blood cell counts:RBC)
貧血、多血症の診断に用いられる基本的な検査。赤血球数は性別、年齢、採血部位、測定法などで差異がみられます。
白血球像・白血球分画(white blood cell differentiation )
末梢血液をスライドグラス上に塗沫し、染色鏡検することで、白血球の形態異常、あるいは種類の偏りを明らかにする、基本的な検査です。感染症や各種白血病、血液系の悪性腫瘍など様々な疾患の鑑別診断に有用です。
白血球数(white blood cell counts:WBC)
細菌や異物などが体内に侵入して起こる炎症や、白血病などの血液疾患の診断、経過観察に用いられるスクリーニング検査です。一般に白血球数は、炎症性疾患や血液系悪性腫瘍で増加し、骨髄抑制状態で減少します。
血小板数(PLT)
血小板は止血機構の中心を担う血球成分です。肝硬変では産生低下と分布異常、さらに自己抗体の影響を受け血小板が減少します。
鉄欠乏貧血:鉄の体内での動体
鉄欠乏貧血を疑うとき、体内鉄欠乏の所見を認めた場合や、鉄過剰を疑うとき血清鉄の測定は診断上有用な検査です。
貧血の種類と血液検査
貧血は血液疾患のうち、出現頻度のもっとも高いものです。検診などの血液一般検査でヘモグロビン値の低下として認められます。またMCVとMCHCの組み合わせにより形態学的に貧血が分類されます。

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