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アデノシンデアミナーゼ ADA は、プリン体分解と再利用にかかわる酵素の一つで、アデノシンを加水分解し、イノシンとアンモニアを生成する酵素です。ヒトの組織に広く分布し、とくに腸管粘膜・胸腺・脾・扁桃やリンパ球に活性が高く、ADAの欠損はTおよびBリンパ球の機能不全を発来し、先天性複合型免疫不全の原因となります。
ADA測定の意義として欠損症と過剰産生症であります。上昇はプリン代謝そのものの亢進(痛風)、腫瘍性増殖によるプリン代謝の亢進、リンパ球活性化によるプリン代謝の亢進および細胞外へ分泌されるADAの増加が主な原因です。したがって、肝疾患・血液疾患・感染症・悪性腫瘍などで高値を示します。
また胸水における癌性胸膜炎(低値)と結核性胸膜炎(高値)の鑑別にも有用です。結核性胸膜炎の場合は100 IU/l前後の高値を示すのに対し、癌性胸膜炎では20 IU/l前後、心不全による漏出性胸水症では6 IU/l程度に留まるという報告もあります。
ADAは血球中に多量に含まれるているため、溶血により高値になることがあので、胸水を採取する場合は、血液の混入に注意が必要です。
検査材料:胸水
測定方法:酵素法
基準値:単位(IU/l)6.8〜18.2
高値を示す病態:白血病、骨髄異形成症候群、伝染性単核症、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝癌、痛風、腸チフス、結核 など
低値を示す病態:ADA欠損症(先天性複合型免疫不全症)
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