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高脂血症に由来する病態には、狭心症(きょうしんしょう)心筋梗塞
(しんきんこうそく)脳梗塞(のうこうそく)脳出血などがあり、
肥満・高血圧・糖尿病を合併すると、その進行はより重篤になります。
近年は日本においても脂質の多い食習慣になってきたことも関連し
て、子どものころから動脈硬化の傾向がみられます。
通常でも血管の硬化は青年期から徐々に進行していますが、中年期
以降、高脂血症になるとその進行は急速にはやまり、動脈硬化が引き
おこす合併症の危険性は増大します。
高齢者では、がんで死亡する割合が60歳代で一定のピークをむかえ
るのに対し、70歳代以降は血管の病気で死亡する割合が逆転し、高
齢になるほどこの割合は増えていきます。
通常、女性ホルモンのエストロゲンはHDLを増加させる作用がある
ので、女性は男性に比べるとHDL値が高いが、閉経後エストロゲン
の分泌停止とともにHDLが減少すると、動脈硬化症の危険性が高ま
ることも知られています。
動脈硬化症のおこるしくみ
LDL(低比重リポタンパク)は血液中で増加すると、血管壁に沈着
し、血管の細胞が放出する酵素などによって変性します(変性LDL)
単球から分化したマクロファージは、変性LDLを除去するため大量
に取り込みますが、処理しきれずに壊れてしまいます。
その結果マクロファージがたくわえていたコレステロールが血管壁に
沈着して、動脈硬化の一種である粥状硬化巣(じゅくじょうこうかそう)
を形成すると考えられています。
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