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動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012の主な改訂点は次の5項目です。
1)診断基準境界域の設置
脂質異常症:スクリーニングのための診断基準(空腹時採血)
10〜12時間以上の絶食を空腹時とする。ただし、水やお茶などのカロリーのない水分の摂取は可とする。
LDL-C値は、TG値が400mg/dl未満の場合、TC−HDL-C−TG/5(Friedewaldの式)で計算する。
TG値が400mg/dl以上や食後採血の場合にはnonHDL-C(TC−HDL-C)を使用し、その基準はLDL-C+30mg/dlとする。
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LDLコレステロール:高LDLコレステロール血症・・140mg/dl以上
境界域高LDLコレステロール血症・・120〜130mg/dl
HDLコレステロール:低HDLコレステロール血症・・40mg/dl未満
トリグリセライド:高トリグリセライド血症・・150mg/dl以上
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2)絶対リスク評価による患者の層別化
従来はリスクの重積によってカテゴリー分類を実施(相対リスク)。
脂質管理目標値の新しい基準では、non-HDL-Cが導入されその管理目標は、高TG血症の場合にLDL-Cの管理目標を達成したのちの二次目標とし、TGが400mg/dl以上および食後採血の場合に用います。
若年者などで絶対リスクの低い場合は相対リスクチャートを活用し、生活習慣改善の動機づけを行うと同時に絶対リスクの数を注意深く観察します。
3)動脈硬化性疾患の包括的リスク管理
スクリーニング検査項目管理チャート、包括的リスク管理チャートを活用してリスク管理を行います。
4)高リスク病態の明示
その他の高リスク病態として以下を明示
・冠動脈疾患の既往
・脳血管障害
・慢性腎疾患(CKD)・末梢動脈疾患(PAD)
・メタボリックシンドローム
・家族性高コレステロール血症(FH)
5)nonHDLコレステロール(nonHDL-C)の導入
nonHDL-Cは総コレステロール(TC)からHDL-Cを引いた式で表されます。総アポB値の代用マーカーであり、VLDL-Cは動脈硬化惹起性が強いレムナントと相関があります。また高TG、低HDL-CではLDL-C値に加えてリスク予測力が高まります。
nonHDL-Cは、簡便に計算でき、食後採血やFriedewald式が適用できない高TG血症にも使用できます。
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