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アルコール性肝障害の診断には、症状や飲酒歴の聴取、とくにアルコール依存症の有無を知ることが最も重要であり、その後に身体所見・検査所見へと進めます。日本ではアルコール性肝障害の診断に文部省高田班による診断基準試案が頻用されています。
<アルコール性肝障害診断基準>
・常習飲酒家(3合/日、5年以上)女性ではその2/3
・禁酒によりAST、ALTが著明に改善(4週間で80単位以下、前値が100単位以下なら基準値まで)
・禁酒後、以下の検査のうち少なくとも一つが陽性
γ-GTも著明に低下
肝腫大の改善
・以下のアルコールマーカーが陽性であればさらに確実
血清トランスフェリン微小変異
CTで測定した肝容積の増加
アルコール性肝細胞膜抗体が陽性
血清GDH/OCT比が0.6以上
※アルコール性+ウイルス性肝障害ではウイルスマーカーが陽性で、禁酒後のAST、ALTの改善が上記を満たす
<アルコール性肝炎>
肝生検は施行されていないが、以下の臨床的条件のうち、必須項目と付加項目のうち3項目以上を認めるもの
1)必須項目
・飲酒の増加を契機に発症ないしは増悪
・AST優位の血清トランスアミナーゼの上昇
・血清ビリルビンの上昇2mg/dl以上
2)付加項目
・腹痛
・発熱
・白血球増加
・ALP上昇
・γ-GTの上昇
<重症型アルコール性肝炎の診断基準>
アルコール性肝炎の中で、肝性脳症、肺炎、急性腎不全、消化管出血などの合併症や、エンドトキシン血症などを伴い、断酒にもかかわらず肝腫大が持続し、多くは1カ月以内に死亡するものを指す。
プロトロンビン時間は50%以下で、著しい白血球増加をみる。組織学的には肝細胞の変性・壊死などがみられる。
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