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CDT/トランスフェリン比は、習慣飲酒マーカー、アルコール性肝障害の鑑別マーカーとして期待される新しい検査です。
糖鎖欠損トランスフェリン(carbohydrate deficient transferrin:CDT)は、血清トランスフェリンに結合している多糖類側鎖が欠損したトランスフェリンアイソフォームで、多量のアルコール接種を続けることで上昇します。一般的に、エタノール約50〜60g(日本酒3合)を2週間以上にわたり毎日飲酒した場合CDT値が上昇する原因となります。
欧米では、CDTは慢性的な多量飲酒者のスクリーニング、飲酒量及び禁酒のモニタリングに有用な習慣飲酒マーカーとして使用されていますが、わが国では、肝障害患者におけるアルコール性肝障害の診断補助を目的とした体外診断薬として承認されています。また、相当量の飲酒にも関わらずγ-GTが異常値とならない群(ノンレスポンダー)においてもCDT値の上昇がみられたとの報告があることから、γ-GTとCDTは互いに相補的なマーカーであると考えられます。
非アルコール性疾患のうち、慢性活動性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、肝不全、CDG(先天性糖鎖合成異常)症候群では、疾患に起因してCDTが増加する可能性があります。また、妊婦のCDTは高値になることが報告されています。
CDT値とトランスフェリン値の比を%CDTとして算出することで、トランスフェリン値、鉄状態、肝機能障害などの影響を最小限にできます。
検査方法:CDT=ネフェロメトリー トランスフェリン=免疫比濁法
検査材料:血清
基準値:%CDT(%) 1.24〜2.16 アルコール性肝障害のカットオフ値 2.00
トランスフェリン(mg/dL) M190〜300 F200〜340
※トランスフェリンが120mg/dL未満の場合、%CDTは評価できません。
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