ホルモンの定義と種類・産生臓器・標的臓器

代表的なホルモンには次のようなものがあります。産生臓器別に、ホルモン名:種類:主な標的臓器の順に示しています。

スポンサードリンク

ホルモンの定義と種類・産生臓器・標的臓器

ホルモン(hormone)は、特定の内分泌腺から血液中に分泌され、血行によって遠隔の標的臓器に作用して特異的な作用を表す物質と古典的には定義されますが、この定義に必ずしも合わないホルモン作用機構が次々と明らかにされるにつれて、もう少し広い概念として捉えられるようになってきました。
現在認識されているホルモンの概念としては、1)産生・分泌細胞と標的細胞が存在し、その相互作用を担う伝達物質であること、2)また、その作用発現にはホルモンに特異的なレセプター(受容体)を介するため、たとえホルモン濃度がごく微量であっても、レセプターを持たない非標的臓器とでは、大きな生理反応の違いを生み出すことができること、の2点が挙げられ、これらを満たすものは幅広くホルモンとして捉える傾向になっています。
代表的なホルモンには次のようなものがあります。産生臓器別に、ホルモン名:種類:主な標的臓器の順に示しています。

・視床下部
成長ホルモン放出ホルモン(GRH):ペプチド:下垂体前葉
副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH):ペプチド:下垂体前葉
甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH):ペプチド:下垂体前葉
ゴナドトロビン放出ホルモン(GnRH):ペプチド:下垂体前葉
プロラクチン放出ホルモン(PRH):ペプチド:下垂体前葉
ドーパミン:アミン:下垂体前葉
ソマトスタチン(GIH):ペプチド:下垂体前葉

・下垂体前葉
成長ホルモン(GH):ペプチド:全身
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH):ペプチド:副腎皮質
甲状腺刺激ホルモン(TSH):ペプチド:甲状腺
黄体形成ホルモン(LH):ペプチド:精巣・卵巣
卵胞刺激ホルモン(FSH):ペプチド:精巣・卵巣
プロラクチン(PRL):ペプチド:乳腺

・下垂体後葉
バソプレシン(AVP・ADH):ペプチド:腎臓
オキシトシン(OXT):ペプチド:乳腺・子宮

・松果体
メラトニン:アミン:下垂体前葉

・甲状腺
サイロキシン(T4):アミン:全身
遊離サイロキシン (Free T4):アミン:全身
トリヨードサイロニン(T3):アミン:全身
遊離トリヨードサイロニン(FreeT3):アミン:全身
カルシトニン:ペプチド:骨

・副甲状腺
副甲状腺ホルモン(PTH):ペプチド:骨・腎臓

・副腎皮質
アルドステロン:ステロイド:腎臓・心血管
コルチゾール:ステロイド:全身
副腎性アンドロゲン:ステロイド:生殖器

・副腎髄質
アドレナリン:アミン:全身
ノルアドレナリン:アミン:全身

・精巣
テストステロン:ステロイド:生殖器

・卵巣
エストロゲン:ステロイド:子宮・乳腺
プロゲステロン:ステロイド:子宮・乳腺
インヒビン:ペプチド:下垂体前葉
アクチビン:ペプチド:下垂体前葉

・膵臓
インスリン:ペプチド:全身
グルカゴン:ペプチド:肝臓
ソマトスタチン:ペプチド:膵臓

・消化管
ガストリン:ペプチド:胃
セクレチン:ペプチド:膵臓
コレシストキニン:ペプチド:膵臓・胆嚢
グレリン:ペプチド:下垂体・迷走神経

・腎臓
レニン:ペプチド:心腎血管・副腎
エリスロポエチン:ペプチド:骨髄
ビタミンD3:ステロイド:腸管

・心臓
心房性ナトリウム利尿ホルモン(ANT):ペプチド:腎臓・血管
脳性ナトリウム利尿ホルモン(BNP):ペプチド:腎臓・血管

・血管
C型ナトリウム利尿ホルモン(CNT):ペプチド:腎臓・血管・胃
プロスタサイクリン(PGI2)その他:血管
トロンボキサンA2(TXA2):その他:血管・血小板
NitricOxide(NO):その他:血管・局所

・脂肪組織
レプチン:ペプチド:視床下部

・胎盤
ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG):ペプチド:生殖器
プロゲステロン:ステロイド:子宮・乳腺

▽ホルモンの定義と種類・産生臓器・標的臓器 のキーワード

▽次の記事、前の記事

動脈硬化指数(AI)と判定基準 | 成長ホルモン(GH)

スポンサードリンク

健康診断・血液検査MAP:新着記事

新規保険収載 デングウイルス抗原定性
デングウイルス抗原定性検査は、国立感染症研究所が作成した「デング熱・チクングニア熱の診療ガイドライン」に基づきデング熱を疑う患者が、当該患者の集中治療に対応できる保険医療機関に入院を要する場合に限り算定できます。
DIC播種性血管内凝固の新診断基準 日本血栓止血学会2014
日本血栓止血学会は、厚生労働省DIC診断基準を修正したDIC診断基準暫定案を発表しました。アルゴリズムで、DICを「造血障害型」「感染症型」ならびに「基本型」の3つの病型に分けています。
新規糖尿病治療薬SGLT2阻害薬の効果と副作用
新規糖尿病治療薬sodium glucose co-transpoter2(SGLT2)阻害薬はインスリン作用を介さずに腎尿細管を標的とした薬剤です。
メタボロミクスによる癌診断
メタボロミクスは、有機酸、アミノ酸、脂肪酸、糖などの多種多様な低分子量代謝産物(メタボローム)を対象とした研究です。
膵グルカゴン 完全長膵グルカゴンを特異的に測定
完全長の膵グルカゴンを特異的に測定する研究検査項目です。
IgGサブクラスIgG2
IgGサブクラスIgG2検査はIgG2欠損症の診断、及び免疫グロブリン製剤の投与時に必要な検査です。
後天性血友病 APTTクロスミキシング試験
後天性血友病インヒビターの存在を知る簡便な方法としてAPTTクロスミキシング試験があります。
血液検査で癌の早期発見ができる miRNA検査
たった1滴の血液から、13種類もの癌を早期に発見できる・・これまでの常識を覆す、画期的な検査方法がミクロRNA(miRNA)検査です。
認知症を予防する MCIスクリーニング検査とは
MCIスクリーニング検査 とは、軽度認知障害(MCI)の兆候を早期に発見できるバイオマーカーを使用した血液検査です。
LOXインデックス 脳梗塞・心筋梗塞の発症リスク予測
LOX-index(ロックス・インデックス)は、脳梗塞・心筋梗塞発症リスクを評価する最新の指標です。

Valid XHTML 1.0 Transitional Valid CSS! Lint